執事サマが何か言っていた気もしたが、
そんなことは今はどうでもいい。
とにかくあの場からは、
逃げ出さなければという衝動に駆られ、
あたしはひたすら走った。
「……っ、はぁ、はぁ」
ど、どうにか撒けたかな?
体力には、自信があるあたし。
これでも空手が得意だ。
そこら辺の男にゃ、負けないと思う。
ってか、負けたくない。
でも…さすがに、SPは、ねぇ?
「……って、うわぁあ!?!?」
あたしは急に後ろから押さえられた。
この羽交い締めは、さっきのSP!?
もう追いついてきやがったのか!?
「…はい、はい。

