もう、雨の季節はおしまいです。 「はい、親方」 ムムは返事をしました。 ◇◇◇◇◇◇ 『これはちいさな食器のお話しです。 彼は生まれたばかりの食器でした。 けれど、だれかの役に立ちたいと思う心優しい食器でした。 ちいさな食器は自分にしかできない事をさがす旅に出ました。 けれど、ちいさな食器にできる事はなかなか見つかりません。 いつしか、ちいさな食器は自分の道を見失ってしまいました。