夢(ほし)職人ムムとワガママな絵本




だから……



だから、夢を捨てないでください」



ムムはそう言って男性に絵本を渡しました。 



男性はまるで、小さな子どものように口をあけて大きな声で泣きました。 



「ゴメンな、ゴメンな」



絵本を抱きしめて何度もつぶやきました。



ムムとジャックはその場を静かに去りました。


もう大丈夫だとムムは思いました。


そして、工房(アトリエ)に戻りました。 




「遅かったね、ムム。