ムムは彼のそばに駆け寄り声を掛けました。 けれど、何の反応もありません。 「おじさん!」 いくら声を掛けても何の反応もありません。 「おい! ご主人」 絵本が言いました。 その声に男性は顔を上げました。 「やっぱり、モスコミュールさんですね。この絵本を届けにきました」 ムムは絵本を差し出します。 ムムが差し出した絵本に男性は初めて口を開きました。 「なぜこれを?」