ご主人が書いてくれないんだ。
40年間ずっと待ったけど、書いてくれないんだ。
このままご主人が死んだら、俺は中途半端のままこの世をさまよう事になる…」


絵本は悲しそうな声でした。 



ムムはなんて声を掛ければいいか一生懸命考えましたが掛ける言葉が見つかりません。



「まぁ、そうなったら仕方ねぇーか? そろそろ寝ようぜ」 



絵本はすごく明るい声でムムに言いました。

「う、うん…」

ムムは言われた通りベッドに横になり、目を閉じました。