「あっ! そうだ! まず、ジャガイモの皮を剥き……」 「オイオイ、なんで料理のレシピを聞かなきゃならねぇーんだよ。全然、面白くねぇーよ!」 絵本は怒ったような呆れたような口調で言いました。 ムムは絵本が騒ぎ出すので話すのを止めました。 「ごめんなさい、けど、他に何も思いつかなくて」 ムムは俯いて答えました。 「お前、小さい頃に親に絵本を読んでもらってないのか?」 絵本は信じられないといった口調でした。 「はい」 ムムは少し言葉につまって返事をしました。