「誰?」 闇の中の光に向かって、私は問いかけた。 これだけだと、多くの人は私を「間抜けだ」と笑うかもしれない。 存在すら無いに等しいものにその質問は不適切であり、そもそも質問することの意味すら無い、と。 正確に言うと、それは光などではなく。 月光に照らされ、"白"よりも"光"に近い色の服を着た、 私と同世代くらいの少年だった。