終えたあと、俺はあいつの出したものを残らず吸い尽くす。そして体のあちこちを優しく舐めていく。

 あいつの俺を受け入れた『ところ』が元に戻るまで俺はあいつを愛撫するのだ。
 特にあいつの二つの乳首を入念に舐め吸ってやる。女の様に大きく発達させてやれば、あいつの乳が出てくるかも知れない。あいつの知らないうちにだ。そうなればもう他の誰にも体を見せることは出来まい。俺だけのものだ。そんな賤しい下心もあった。
 しつこい吸引にあいつの乳首は赤く腫れてくる。あいつの顔や全身は上気し心はまだ桃源郷を彷徨っている。

 あいつの放心しきった表情にまた欲情して行ったこともある。だが、あいつはもう疲れ切っていて無感覚になっていた。でもあいつは、独りよがりの性欲に果てた俺に小さな声でやっと言った。
「・・・大介、よかった?御免・・・俺、もう駄目だ・・・」

 もう俺だけの欲望を満たすことはしない。
 あいつの顔を見ながら俺は幸せを味わう。この幸せに終わりは来るのだろうか・・・来て欲しくない。せめて俺が死ぬまでは。

 あいつのやすらかな寝息を聞きながら俺も微睡(まどろ)んで行く。

第二章 恋人 了