ACO



あたしは、
人知れず泣いた。


気持ち良いと感じたオレンジ色の西日が、
あたしを、
優しく包んでくれてる気がした。


「……じゃ。
あとでメールするね。
タカ。」


「……うん。
待ってる。」


二人の少し照れ臭そうな声が、

あたしに追い撃ちをかけてるような気がした。


なんだか、
孤独を感じた。


情けない……。


あたし……、


情けないな………。


泣くなんて。


悲しい気持ちになるなんて。


彼が幸せならいいじゃない?


嘆くことなんて一つもない。


なんだかよくわからないけど、
悲しい気持ちの自分と、

妙に冷静な自分がいた。


そしてまた、
そんな自分をおかしく思う自分もいた。




涙は止まらなかったけど………。