病院から学校に向かう途中、何だか冴えない気持ちでいっぱいだった。

どれくらい学校を休んだのかもいまいち分かんなく、その所為で身体が鈍ってた。


「疲れた…」


ポツンと漏れた言葉。

行くのに疲れるんじゃなくて精神的に疲れた。色んな事が起こって、それにあたしの頭がついて行けない。

考えすぎて考え過ぎてなんかおかしくなりそうだ。


学校に着いたのは丁度3時間目のチャイムが鳴り始まる頃。

皆がダラダラと席に座りだしザワザワとした教室に何だか息が詰まりそうだった。


来たのに授業を受ける気になれない。それは長い間、休んでた所為なのかも知れないけど、やっぱし身体が重く感じる。

席に座りゆっくり視線を送ると、葵は両肘を付いて黒板の方を見てる。そんな葵はあたしが来た事にまだ気づいていなかった。

葵とはあの日以来、会ってもいないし話してもいない。今、どんな気持ちでいるのか正直聞きたかったけど、やっぱし話す事に躊躇う。


素っ気なく帰ったあたしを多分、葵は嫌になってるだろう…


何もしないで考え事ばかりして授業が終わってすぐクラスの皆はザワザワと立ち出し、それに紛れて葵も席を立つ。

そしてゆっくり振り返った葵と一瞬だけ…一瞬だけ目が合った。だけどあたしはその目線からすぐに逸らし、財布を持って席を立ち足を進めた。


葵は驚いてた。一瞬見ただけだけど、あたしが居た事に驚いた表情をしてた。そりゃあ、当分来ていなかったあたしだからそう思うのは当たり前なんだけど…。


だけど…なんかやっぱし話しづらい。それはきっと葵も同じだと思う。