「お前持ってねぇだろ?」


そう言って笑う先輩に返す言葉もない。


「これはいらねぇわ」


諒ちゃんは田口先輩の方へと箱を投げ捨てる。


「あぁ、お前は生派か」

「お前と一緒にすんな」

「ねぇー美咲ちゃん。どうだかね?」


だからあたしに話を振るのは止めてほしい。

とりあえず曖昧に笑ったあたしは先輩に話を投げかけた。


「先輩って働いてないでしょ?」

「ん?俺?働いてねぇよ」


やっぱし。そんな感じ…


「だって学生だし」


そう続けられた言葉に耳を疑った。


「え?学生って大学生なんですか?」

「うん、そうそう」


かなりビックリした。


「へぇ…受かったんですね」

「ははっ!受かったんですね、だってよ。お前相当アホに見られてんぞ」


諒ちゃんはケラケラ笑ってお腹を押さえる。

まぁ、アホっぽいのは確かだけど…学校とか面倒くさいって感じに見えるし。


「いやいや、こう見えても俺、結構頭いいから。諒也よりはすげぇから」

「まぁそれだけは認める」


田口先輩は諒ちゃんが認める程、頭がいいらしい。

以外。やっぱ人間って見た目で判断しちゃいけないらしい。