アイツ何考えてんの?

つーか、こんな金受け取る訳ないじゃん。

一息吐いて視線を落とすと丁度鞄に目がいき、中から光りが点滅していた。

鞄の中から携帯を取り出してすぐ、あたしの口からため息が漏れた。



…―――ママだ。


内容は同じだ。“ごめんね。今日も帰れない”…ママがいつも入れてくる言葉。

ママの口癖って事もあるけど、あたしにとったら心が痛い。

あたしが追い詰めている。あたしの事なんてほっとけばいいのに…


それからあたしは次の日もその次の日も、そのまた次の日も学校帰りホテル街に足を運んだ。

金を稼ぐんじゃなくて、翔と会うために…

だけど、翔はまったく現れずその姿さえ見つからなかった。


半分諦めかけたと同時に1週間が経ち、期待して願ってた葵の事もあっさりと打ち砕かれた。