「何?…どうしたの?」


屋上に出て扉から凄く離れた所で葵は足を止め、あたしはすぐに口を開く。


「あの…、あのさ…」


葵は唇を少し震わせながらあたしから目線を外し、今だに握っているあたしの手に力を入れた。


「何?」

「あっ、あのさ…、」

Γだから、どうしたの?」

Γ……」


葵の躊躇いに思わずあたしはため息を吐きだす。


Γ葵?」


言いたくても言えない。そんな感じだろうか。

俯く葵の唇は未だに震えてる。


Γ…生理がこない」

「…――え?」



葵が呟いたのは暫く経ってからだった。一瞬何を言ってるのか分からないままあたしの思考が止まった。


だけど漸く理解しきった時、葵はあたしから手を離し、目を泳がせながら真っ黒な綺麗なストレートの髪を手で握りしめる。

最近、葵の様子が確かにおかしかった…。元気がないと言うか疲れきっていると言うような感じだった。



まさか…、葵が?