「はいよ」


行為が終わった後、ベッドに横たわって唇を噛み締めるあたしにジュンは上半身裸のまま、3枚の札を投げてきた。

その札はヒラヒラと落ち、顔にかかった一枚の札を手で掴みギュっとキツク握り締めた。


何やってんだろ…、あたし。


これじゃあ昔に戻ってる。でも、終わった後に気づいてもどうしょうもない。


「つーか、今度は金なしでヤらせろよな」


“前みたいなセフレに戻ろうぜ”

付け加えるかの様にして言って、ベッドに横たわるあたしの顔に自分の顔を近づけ唇が触れ合いそうになった時、あたしは顔を逸らした。


「今更、拒否んなよ」


ジュンは意地悪っぽくクスクス笑う。

笑いながらあたしの髪を撫でジュンはそのまま言葉を繋ぐ。


「また今度…」


そう声を漏らし、あたしの身体にシーツを被せ、ジュンは服を着てホテルを出て行った。