「このクソ暑いのに現場だからな」

「あー…、そっか。大変だね」

「大変だねって、みぃちゃんこそ…。つーか水族館って何処の?」


そう言われて思わず首を傾げてしまった。

そう言えば、行く場所なんて考えてない。ってか、何処にあるのかも知んない。

首を傾げたまま呆然とするあたしを見て、翔はクスクス笑いだす。


「何も考えてねぇのかよ」

「…うん」

「だと思った。だから俺が調べといた」


そう言って車を進める翔に「あ、ありがと…」と半笑いで返した。


そんなあたしをちょっと呆れた様に見つめて笑う翔に申し訳なくなった。


「もうすぐ学校始まるんじゃねぇの?」

「うん」

「真面目に行けよ」

「真面目にって、あたし真面目だけど。休んだ事もあまりないし…」

「へー以外だな。月の半分は行ってねぇのかと思った」

「そんな事してたら進級してないよ」

「…だよな」


翔はうっすら笑いながら運転席の窓を少し開け、タバコを取り出した。

取り出したタバコを咥えて火を点ける。


その仕草に思わずドキッとしてしまった。