あの日の次の日、葵は本当に学校に来てた。

考えて悩んで苦しんだ末に出した結果の所為か、何だか疲れきってて、半日は保健室で寝てた。



土曜日。

あたしは求人雑誌に囲んでいたバイト先を一通り見てきてから、その後美術館へと向かった。

この前、話した岩崎さんは居なかった。


それにしても今日は自棄に人が多い。

いつもよりザワザワした室内。


周りからは“綺麗ね”“行きたいね”などの声が聞こえてくる。


やっぱし気が付くとあたしが立っている場所はいつもの写真の前だった。


どれくらい時間が経ったのかも分からず、あたしはひたすら写真を眺めてた。



「…オーストラリア」


突然聞こえてきた声に目を向けた瞬間、あたしの目は一瞬にして見開いた。

普段着ているスーツ姿ではなく、ジーンズを穿き、いつもと違った雰囲気に思わず全身を見てしまった。


「何…、してんの?」


思わずあたしの口から洩れた言葉。