どうも女の子は年下らしい…

でもさっき、新田先輩って確かに言った。


新田って…、諒ちゃん?


「…ごめん。俺、好きな奴いるから…」


その声を聞いた瞬間あたしは諒ちゃんだと実感し、そして頭に一人の人物が過った。

まさか諒ちゃん…、

まだ…


「…そう…ですか。分かりました」


女の声は弱々しくて、その声を聞いてあたしは“やばっ、”と思った。

とりあえず今、中に入れる状態じゃない。


握っていたドアノブから手を放し、5〜6段くらい階段を駆け下りた時だった。


ドアを開ける音が背後から聞こえ、あたしの横を女の子は駆け足で降りて行った。