昨日買った求人雑誌を鞄の中に入れてあたしは学校へ向かった。

昨日、眠りにつく前に一通り目を通したけれど、やっぱしあたしの目がいく所は金額で、あまりにも安い金額に思わず溜息が零れる。


結局、葵からの連絡など何もなく、教室に足を踏み入れても葵の姿はなかった。

葵と翔の事で、頭が一杯になっていて授業なんて全然頭に入る事なく1日は終わる。


一旦、家に帰ってから葵の家に行こうと思いながら放課後、机の横に掛けていた鞄を机の上に置き、開いている鞄の口を閉めようとした時、あたしの手が…ふと止まった。


「…あれ?」


…求人雑誌がない。


鞄の中を確認するも雑誌はなく、机の中を見ても雑誌は何処にもなかった。

今日1日の行動を頭に過ってみると、ふと一ヶ所の場所が浮かびあがる。


「屋上だ…、」