何て言ったらいいのか分かんない。

何て言ったらじゃなくて…、当然の事でそんな事言える訳がない。


だって…、

あたしのやっている事は一つしかないんだから…。


口を開かないあたしに翔は「なぁ?」と低い声を出す。


あたしが口を開かないまま時間は刻々と過ぎていく。


「俺は、みぃちゃんが稼いだ金は受け取れねぇ」


暫く経った後、この張り詰めた空気の中、翔が言った言葉があまりにも痛々しくあたしの胸に突き刺さった。

返す言葉なんて見つからない…

口さえ開かない…。でも、翔は言葉を続けていく…


「みぃちゃんの友達言ってたよな?みぃちゃんが“金”貸すからって言ったら“いらない”って…、その返事と俺は同じ。そんな金受け取りたくもねぇよ」


“なぁ…、止めろよ”

そう溜息混じりで付け加えられた言葉に思わず唇を噛み締め、俯いて目を瞑った。