トントンって軽く肩を叩かれた小さな振動で、あたしは浅い眠りから目が覚めた。

目を完全に開ききった時、「みぃちゃん」と聞こえる声とともに、あたしは隣に目を向ける。


目があった瞬間、翔は口角を上げ優しく微笑んだ。


「あっ、ごめん。寝てた…」

「ううん。ちょっと外出ねぇ?」

「うん…」


翔がドアを開けてすぐ、あたしもドアを開け外に出る。

辺りは暗くて、所々にある街灯で少し辺りが見える程度。


真っ先に何かが見える…


波の音が心地よく耳に響いて、潮の香りが鼻につく。




――――…海。