「いいから、いいから」
ね、なんて。
甘いマスクでにっこり微笑む奏さん。
この人、見かけによらず、思いっきり自己中じゃありませんか?
……いやいや、私、全然良くないですけどっ!
「智はいいよね?
なっちゃんって、料理も得意だし」
……口から出任せ言わないでーっ。
智さんは私の瞳を真っ直ぐに見ると、表情を和らげて、うっとりするような笑みを見せた。
「俺は全く構わないよ。
夏希ちゃんって、すごくタイプだし」
……ひええええっ。
い、今なんて?
さらりと、なんて仰いました?
「ほら、智がこんなに誰かのことを気に入ったところなんて見たこと無いでしょう?」
「そうだな。
猫か、レイをここまで気に入ったことなら幾度か見たことあるが」
……れ、レイ?
レイっていうのは、一体……、なぁに?
例、礼、零……、まさか【霊】じゃ、ないですよねぇ?
私は慌てて唇を開く。
「で、でもほら、私。女子高生ですし、その。
親も心配するかもしれなしい、あの」
「そんなことか。夏希は真面目だなぁ」
いや、そこ、快活に笑う場面じゃありませんよ、久遠さん?
ね、なんて。
甘いマスクでにっこり微笑む奏さん。
この人、見かけによらず、思いっきり自己中じゃありませんか?
……いやいや、私、全然良くないですけどっ!
「智はいいよね?
なっちゃんって、料理も得意だし」
……口から出任せ言わないでーっ。
智さんは私の瞳を真っ直ぐに見ると、表情を和らげて、うっとりするような笑みを見せた。
「俺は全く構わないよ。
夏希ちゃんって、すごくタイプだし」
……ひええええっ。
い、今なんて?
さらりと、なんて仰いました?
「ほら、智がこんなに誰かのことを気に入ったところなんて見たこと無いでしょう?」
「そうだな。
猫か、レイをここまで気に入ったことなら幾度か見たことあるが」
……れ、レイ?
レイっていうのは、一体……、なぁに?
例、礼、零……、まさか【霊】じゃ、ないですよねぇ?
私は慌てて唇を開く。
「で、でもほら、私。女子高生ですし、その。
親も心配するかもしれなしい、あの」
「そんなことか。夏希は真面目だなぁ」
いや、そこ、快活に笑う場面じゃありませんよ、久遠さん?


