「ああ、こんなところに居たのか」
私たちが立ち上がる直前、外で年配の男性の声がした。
「ええ。
やけに帰りが早いわね。
どうだったの?」
「それが、いつもどおりといえばそうなんだが。
ちょっと彼に頼もうと思ったのが間違えだった。
しばらく走ったところで不意にタイヤがパンクして、そこにバスが突っ込んできて。
外に下りていたわしは無事だったが、中に残していた彼は激突だ」
「あら。
交通事故は、今年に入って5度目だわね。
今回はシンプルな事故で良かったじゃない。道を歩いているだけで、散歩中の普段はおとなしい犬に噛み付かれて、逃げる途中で子供に躓きそうになって、それを避けたら後ろからきた自転車に激突されて、そのはずみで路上に飛び出して、こともあろうに急病人を迎えにいっていた救急車にはねられたことを思えば。
ずっとましだわ」
くすりと笑いながら巫女さんが言う。
笑いながら言うことではないような気もしますが。
私たちが立ち上がる直前、外で年配の男性の声がした。
「ええ。
やけに帰りが早いわね。
どうだったの?」
「それが、いつもどおりといえばそうなんだが。
ちょっと彼に頼もうと思ったのが間違えだった。
しばらく走ったところで不意にタイヤがパンクして、そこにバスが突っ込んできて。
外に下りていたわしは無事だったが、中に残していた彼は激突だ」
「あら。
交通事故は、今年に入って5度目だわね。
今回はシンプルな事故で良かったじゃない。道を歩いているだけで、散歩中の普段はおとなしい犬に噛み付かれて、逃げる途中で子供に躓きそうになって、それを避けたら後ろからきた自転車に激突されて、そのはずみで路上に飛び出して、こともあろうに急病人を迎えにいっていた救急車にはねられたことを思えば。
ずっとましだわ」
くすりと笑いながら巫女さんが言う。
笑いながら言うことではないような気もしますが。


