女子高生夏希のイケメン観察記

そうして、巫女さんがポンっと手を打つと、しんとした静けさが辺りに漂った。

「話せました?」

穏やかな声は智さんのもの。

「ええ、ちょっと厄介ね。
 なんちゃって戦国武将は良く見るけど……」

え、本物?
私はごくりと生唾を飲む。

「あの、俺の剣のこと、何か言ってました?」

驚いて顔をあげれば、緊張している私とは違い、智さんの瞳はきらきらと輝いている。

「トウくんってば、本当、刀一筋だよねー」

巫女さんは立ち上がりながら、くすりと笑った。
そうして、

「褒めてたわよ」

と、さらりと言った。

智さんの瞳は、クリスマスプレゼントをもらう直前の子供と同じくらい、純粋に輝いて、嬉しそうな笑顔を零していた。


……うわぁ、眩しい笑顔。

私は思わず目を細める。
そのくらい、素敵な笑顔だったの。