女子高生夏希のイケメン観察記

それから、きっぱりと顔をあげた。

「それなら、先に除霊してもらわねばならぬものがあるな。
 それを見届けたら、とりあえずコイツを解放してやっても良い」

……え?

私は耳を疑った。

「分かったわ。
 まず、何を除霊すればよいの?」

巫女さんは、あっさりと話を飲んだ。

え、いいんですか?
とりあえず解放って、今。

伊達さん、言いましたよね?

完璧に解放してあげなくってもいいんですか、智さんのことっ。


焦っているのは私ばかりで。
巫女さんは紅い唇で優雅に微笑んでいるばかり。

「それを調べるためにクロを放っているというのに、ちっとも報告に来ないのだ」

伊達さんは不機嫌にそう答えた。