「じゃあ、こちらにどうぞ」
どうやら、私の名前は『シロ』ってことに決まったみたい。
なんて強引な人なのかしら。
でも、彼女の美しさはその強引っぷりを覆い隠してあまりある。
にこやかに微笑まれると、それだけで全て許せてしまうから恐ろしい。
「ねぇ、私、この武将さんとお話しちゃってもいいかしら」
やわらかい口調に、有無を言わせぬ強さがある。
慣れているのか智さんは肩を竦める仕草で同意を示した。
「巫女さんには敵いません」
「あら、そんなことないわよ」
巫女さんは白魚のような手で口許を覆い、珠を思わせる笑い声を零す。
その間に、私たちは拝殿へとあがる。
靴を脱ぐときに智さんと手を離した。
ずん、とした神聖な空気の色が濃くなってくる。
ふぅ、と息を吐く智さんを見上げたときには、もう。
その目の色は伊達さんのものに変わっていた。
どうやら、私の名前は『シロ』ってことに決まったみたい。
なんて強引な人なのかしら。
でも、彼女の美しさはその強引っぷりを覆い隠してあまりある。
にこやかに微笑まれると、それだけで全て許せてしまうから恐ろしい。
「ねぇ、私、この武将さんとお話しちゃってもいいかしら」
やわらかい口調に、有無を言わせぬ強さがある。
慣れているのか智さんは肩を竦める仕草で同意を示した。
「巫女さんには敵いません」
「あら、そんなことないわよ」
巫女さんは白魚のような手で口許を覆い、珠を思わせる笑い声を零す。
その間に、私たちは拝殿へとあがる。
靴を脱ぐときに智さんと手を離した。
ずん、とした神聖な空気の色が濃くなってくる。
ふぅ、と息を吐く智さんを見上げたときには、もう。
その目の色は伊達さんのものに変わっていた。


