女子高生夏希のイケメン観察記

「ごぶさたしています、巫女さん」

智さんは丁寧な口調でそう言った。

……巫女さん?

それって、ちょっと変わった呼びかけ方じゃないかしら。

「こちらこそ、ご無沙汰してるわね。
 トウくんが一人で来るなんて珍しいわね。後の二人は?」

……トウくん?

トモくんじゃなくって?

「それぞれの仕事してますよ。
 俺たちだってもう、暇とパワーを持て余した高校生じゃないんですから」

「そうかー、そうよね。
 私ももうすぐ三十路だもん。
 そろそろ、この衣装ともお別れだわー。もっとも、本来ならとっくにお別れしてないといけないんだけどね」

くすり、と笑ってみせる巫女さんは、本当に美しくもチャーミングで、もうすぐ三十路にはとても見えない。