しぃ、と。
智さんは形の良い人差し指を自分の唇に押し当ててみせてから、悪戯っ子のようなウィンクを飛ばす。
ええっと。
えええっと。
そりゃ、人目につかないところに行かなきゃダメですよね。
うん、
分かります。
けど。
煩く鳴り響く心臓を出来るだけ無視して、智さんを見る。
持たされた短刀は、ずしりと重かった。
「この布を取って俺に持たせてくれればきっと、トランスできる。
でも、元に戻る方法は分からないんだよね。
あと、彼がどう暴走するのかも責任は持てない」
至極真剣な眼差しで、そんなことを告げてくる。
それから、ふわりと口許を綻ばせた。
雰囲気の重さをあっさり無視して、私の心臓はときめき始めるから怖ろしい。
「それで良ければ、呼んじゃって」
最後は、ごくごく軽い口調でそう言った。
「……いいわけないじゃないですかっ」
私は小声で突っ込む以外、どうして良いのか分からなかった。
智さんは形の良い人差し指を自分の唇に押し当ててみせてから、悪戯っ子のようなウィンクを飛ばす。
ええっと。
えええっと。
そりゃ、人目につかないところに行かなきゃダメですよね。
うん、
分かります。
けど。
煩く鳴り響く心臓を出来るだけ無視して、智さんを見る。
持たされた短刀は、ずしりと重かった。
「この布を取って俺に持たせてくれればきっと、トランスできる。
でも、元に戻る方法は分からないんだよね。
あと、彼がどう暴走するのかも責任は持てない」
至極真剣な眼差しで、そんなことを告げてくる。
それから、ふわりと口許を綻ばせた。
雰囲気の重さをあっさり無視して、私の心臓はときめき始めるから怖ろしい。
「それで良ければ、呼んじゃって」
最後は、ごくごく軽い口調でそう言った。
「……いいわけないじゃないですかっ」
私は小声で突っ込む以外、どうして良いのか分からなかった。


