女子高生夏希のイケメン観察記

いや、でも。
そうよね、私、智さんに一目惚れなんだし。

ここは、そう。
逃げずに関係を一歩深めるチャンスに違いないわ☆

そう、心を決めた矢先。

難しい顔をしたまま、智さんが懐に手を突っ込んだ。
取り出したのは、白い布に包まれたずしりとしたもの。

彼はそれを私に手渡した。

「これ、何ですか?」

私の声が震えているのは、緊張のため。
口の中がやたらと乾く。

「短刀」

短く、鋭く、智さんが囁く。
紅い唇が私の耳元に近いことよりも、まず。

その発言内容に驚いた。


……えええ?


銃刀法違反~!?