友達の叫び声とともに、あたしの体は動かなかった。 「紅(ベニ)っ!?危ない!!」 車のスリップ音。 あたしは小さな男の子を助けようと、道路に飛び出した。 男の子の泣き声。 目の前が赤く染まる。 もう死ぬんだ―――… そう思ったときに目の前が黒くなった。