大切な時間

 家に帰ってすぐに太一が来た。2人でいつもみたいにポーカーをしても、なぜかオレは 太一に勝てない。
 太一はオレは顔に出やすいからだと言っていた。

 3回も負けてしまった…。
 その時太一が外に行こうと言った。絶対勝ち逃げだよ。と思いながら2人で公園でプチ宴会を始めた。


 太一はあぐらをかいてビーフジャーキーをかじっていた。

 今日あったこと言った方がいいよな。太一はオレのたった1人の親友だから。
 浅く広くの関係のオレは深く仲良くなれる奴がいなかった。だから太一との再開はかなり感動的だった。

「オレ彼女できたわ」
 と報告すると太一の目が点になっていた。
 そんなに驚くことかよ。

「そっか…いや実は俺もなんだ」
 と太一が言った。
 まさか、アキじゃないよな。とは思うものの恐くて相手は聞けなかった。

「まぁお互い彼女できたらいつもみたいには会えないかね」
 とオレは冗談混じりに言った。すると太一は
「いや、おまえとは何があっても会わなくなるのは辛いな。実際5年間辛かったぜ?」
 と感動的なことを言ってくれた。

 男の友情って最高だ!
 オレ達は友情に乾杯した。

 すると携帯にメールが来た。ほとんど同時に太一の携帯も鳴った。

 メールはアキからだった。

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from:アキ
subject:お久しぶり
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今度3人で会えないかな><
忙しい?2人に会いたいです。
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 来た!逢いたいって!オレはすぐに返事をしようとした。
 でも太一はアキを心配してメールを打つのを躊躇っていた。

「何かあったのかな」
 普通のメールじゃん。
 結局2人とも返事をしたけど、返事が待ちきれないとオレがわがままを言ったら太一が電話を掛けることになった。


―もしもし
 アキの声が小さく聞こえた。