大切な時間

「あれ?絵梨佳、晃太は?」
と俺が聞くと、

「ここはあたしのアパートなんだからあたしがいたっていいでしょ。いるわよ。」
と言って俺を部屋に上げてくれた。

中に入ると晃太が「おぅ」と一言言った。
ワンルームなのに2人できつくないのかな?
「どうやって寝てんの?」
と聞いたら晃太は苦笑いをして
「布団1人分しかないけど2人で一緒に寝るなんて嫌だからオレは毛布1枚なのよ」

結構厳しい生活してんだな…。

 晃太は家出の身でゲームをもってないから俺達は最近トランプで遊ぶ。

 最近の俺達のブームはポーカー。でも晃太は嘘が付けない性格だからすぐに顔に出る。大体俺が勝っていた。

 3度目の勝利の後俺は立ち上がった。

「おいおい、勝ち逃げかよ」
 と晃太が冗談ぽく笑う。

「外でないか?」
 絵梨佳を横目に俺は晃太に言った。

 それに気付いた絵梨佳が
「私は出ないよ」
 と気を遣う気もないらしい。まぁいいけど。


 外は暗いせいか少し肌寒かった。
 俺達はコンビニに行って食料を買った。レジにはまだ甘栗が置いてあった。

 公園に行って一番高い遊具の上に登ると小さな宴会が始まった。

 晃太は体育座りをして前を見ながらするめを噛んでいた。

 晃太には今日のことを伝えておきたかった。

 俺が口を開いた途端晃太が話し始めた。


「オレ彼女できたわ」


 …は?