次の日、夏も終わりだというのに気温は三十四度だった。私はやり残した宿題をカタツムリ並のスピードでやっていた。今日は太一と晃太と三人で地元の花火大会に行く日。今日遊ぶなら今やらなきゃ…そうは思うものの、なかなか手は動かない。
「だめだー!!もう止め止めっ」
私はシャーペンを放り出し、ソファの上に寝転んだ。するとリビングにお母さんが入ってきて私を横目で睨んだ。お母さんは私が行きたくもない大学に推薦で行こうとしているから怒ってる。私としては行きたい大学がないだけなんだけど。
私は勉強道具を掴んで自分の部屋に逃げ込んだ。
もうちょっと頑張るか。
四時になって、六時に待ち合わせしていたから浴衣をお母さんに着付けてもらった。お母さんは自分の娘が世界一可愛いと思っているから娘が変身していくのを見るのは楽しそうだった。
着付けが終わると同時にお父さんが帰ってきて、リビングでお母さんと二人で話していた。
私が部屋で準備をしているとお父さんの怒鳴り声が聞こえた。負けじとお母さんの声も大きくなる。
また始まった。最近仕事がうまくいかないお父さんはいつも不機嫌だ。家計を支えるためにパートを始めたお母さんもストレスでイライラしている。昔は仲が良かったのに…。
私は無意識に耳を塞ぐ。しかしそれも意味なく、ドアが激しく閉まる音がして、それと同時に雷のように大きな音がした。
そっと自分の部屋を出るとお父さんが腕を組んで座っていた。
「お母さんは?」
と尋ねると
「出ていった」
と短い一言が帰ってきた。
それ以上何も言わなくなったお父さんにお茶を入れて、そっと家を出た。お母さんが出ていくのは以前もあったからそんなに心配はしなかった。
太一と晃太はバス停まで迎えに来てくれていた。私は何事もなかったかのように、二人に笑顔を向けた。二人とも私服だと思っていたのに反し、晃太はじんべい、太一は浴衣を来ていた。
…かっこいい。私はつい二人に見とれてしまう。
「アキは意外とピンク似合うな」
突然晃太が驚いた顔をして言った。
「意外ってどう言うこと!?」
と私が聞くと今度は太一が笑いながら
「いや、アキは紺色だと思ってたんだよ」
と言った。それってフォローになるのかな。
「だめだー!!もう止め止めっ」
私はシャーペンを放り出し、ソファの上に寝転んだ。するとリビングにお母さんが入ってきて私を横目で睨んだ。お母さんは私が行きたくもない大学に推薦で行こうとしているから怒ってる。私としては行きたい大学がないだけなんだけど。
私は勉強道具を掴んで自分の部屋に逃げ込んだ。
もうちょっと頑張るか。
四時になって、六時に待ち合わせしていたから浴衣をお母さんに着付けてもらった。お母さんは自分の娘が世界一可愛いと思っているから娘が変身していくのを見るのは楽しそうだった。
着付けが終わると同時にお父さんが帰ってきて、リビングでお母さんと二人で話していた。
私が部屋で準備をしているとお父さんの怒鳴り声が聞こえた。負けじとお母さんの声も大きくなる。
また始まった。最近仕事がうまくいかないお父さんはいつも不機嫌だ。家計を支えるためにパートを始めたお母さんもストレスでイライラしている。昔は仲が良かったのに…。
私は無意識に耳を塞ぐ。しかしそれも意味なく、ドアが激しく閉まる音がして、それと同時に雷のように大きな音がした。
そっと自分の部屋を出るとお父さんが腕を組んで座っていた。
「お母さんは?」
と尋ねると
「出ていった」
と短い一言が帰ってきた。
それ以上何も言わなくなったお父さんにお茶を入れて、そっと家を出た。お母さんが出ていくのは以前もあったからそんなに心配はしなかった。
太一と晃太はバス停まで迎えに来てくれていた。私は何事もなかったかのように、二人に笑顔を向けた。二人とも私服だと思っていたのに反し、晃太はじんべい、太一は浴衣を来ていた。
…かっこいい。私はつい二人に見とれてしまう。
「アキは意外とピンク似合うな」
突然晃太が驚いた顔をして言った。
「意外ってどう言うこと!?」
と私が聞くと今度は太一が笑いながら
「いや、アキは紺色だと思ってたんだよ」
と言った。それってフォローになるのかな。
