意識を取り戻したときには、真っ白な空が広がっていた。 力が入りにくい体は、回復にもう少しだけ時間が必要だと思った。 「あ…気がついた。」 「おまえ…」 そこには、あの子がいた。 何故だろう? 女の子の顔が、悲しそうな顔に見えた。 「てか、ここは…」 目だけでセカイを映し出して、情報を得るには限界があった。 「保健室だよ。」 声は優しく、空気の中に溶けていく。 軽いだるさを全身に感じていた俺は、ただ同じ姿勢を保っている事は短時間というほど持つものではなかった。