名も知らないその人となにも語らし、背中合わせだから時折、存在すらも空気と化していた。 興味もないし、暇が潰せればいいと思った。ただ、そっと空と向き合う。 「ねぇ、あの…」 誰かに呼ばれた。 でも、興味がない。 「あの…桐原くん、だよね。」 的確に、俺の名を差した。 俺は、その事に驚く事はしなかった。 別に、知っていようと知らないでいようと俺には関係ない。 興味もないし、関わる気もない。人を気にしたり、労ったりそんな面倒なことは好きじゃないし好きになれない。