いつも、学校に来ていたら屋上でサボっていた。 そう、この空がいっぱい目に焼き付ける事ができる場所。 桜井さんとは、この場所で初めて出会ったんだ。 「おい、そこ。」 「え…なに?」 「いや、何でも…」 「何でも?」 「ない。」 いつもの屋上。俺の特等席は、小さな背中の女の子に奪われていた。 特等席。 屋上へと登って来た階段の扉の上。その場所は、存在する。 仕方なく、少し離れたところに女の子と背を向けた。