さくらの季節




久し振りに南に誘われてお気に入りのお店に来ていた





お店に入ると蘇る…池田さんと二人で来た日のこと





大好きなお店なのに辛かったからあれからここには来ていなかった…というか来れなかった





南と私はテーブル席ではなく二人並んでカウンター席に座った





席に着くとカウンターにいたお店のお母さんが声を掛けてくれた




「さくらちゃん元気だった?あれから顔見せないからどうしてるのかなって心配してたのよ」




お母さんの優しい声に私は自然と笑顔で答えてた





「あの時折角応援して頂いたのに振られちゃって」





そう答えてもあれだけ流した涙はもう出なかった





「あら…残念ね。だけど辛い経験だったけど真剣に人を好きになれて良かったわね。さくらちゃん前より綺麗になったわよ」





お母さんにそう言われて少し恥ずかしくて…でも嬉しかった