運悪く、こっちへ歩いてくる男子は本を読んでいて、
明らかに話しかけるなオーラを醸し出している。


だがここで諦めたら終わり!!アタシは勇気を振り絞り話しかけた。


「あ…あのぅー…」


今までうつむいていた男子は顔を上げた。


「何?」

「「あッ…!!」」

この人って、ナイトの片野玲音じゃん!


どうやら向こうも気ずいたようだった。


「実は……道に迷っちゃいましてー…」


「…道って…ここ一応学園内なんだけど?」


あ…意外と普通に喋るじゃん?


それに玲音ってよく見ると優しい顔してる…


睫毛が長くて、フンワリした髪…。


「……ついてこれば?」


きっと、不器用なだけなんだよね。


本当は、優しいんだ。