――シャラン



嘘…でしょう??



この音、忘れるわけがない。



プリンセスになった時の音だ。


あたしと同様周りも驚いていた。


後ろを振り返ると、門に立つ一人の美少女がいた。



真っ黒な綺麗な髪をなびかせて歩く彼女は


とにかく綺麗だった。


色白い肌に目立つ大きな瞳。


真っ赤な唇。


細い足。



まさに女の子の鏡。



「どうして…?」

今のプリンセスはあたしでしょう?


なのにどうして…

なんであの音が鳴るの?




不安で一杯だった…。


せっかくプリンセスにも慣れて、楽しくなってきた頃なのに。




皆が見るから、彼女は不思議な顔をして歩く。




あたしはそんな彼女をずっと見つめていた。




信じたくない現実。


『ナイト……

あたしはどうしたらいいの?』