「やーだ♪そう言えば梨緒ってさぁ、恋人いないんだろ?」


「…う"、ぅん」

「一年以内に作んないと退学だぜ?」

「……知ってるもん」

「俺がなってやるよ…梨緒の恋人に…ニヤリッ」


「はぁ!?!?何でアンタが恋人に……


しかしその言葉は湊の唇により封じられた。


「――!!!!」

目を真ん丸く開けているアタシとニヤニヤしている湊。


「……ゃ…だ!!離してよ!!!!」


必死でもがくとやっと解放された。


「もしかして、初めてだった?」


「ち…違うもん!!
ファーストキスなんかじゃ…ファーストキスなんかじゃ……ファーストキスなんかじゃ……
―この最低鬼畜男~!!!!」

―パシン!!!


アタシはそう吐き捨てた挙句、湊の頬にビンタをくらわせ

大きな大きな学園の中を走り抜けた梨緒ちゃんと


「プッ、面白れー♪
……結局ファーストキスなんじゃん?」


頬に手をあてて舌なめずりをし、
面白い獲物を見つけたと笑っている湊くんでした。