「火事だーーー!!!!
逃げろー!」


葉瑠はキス魔にはならずいきなり叫び出した。


カンカンカンと言う音を、火事と勘違いしたらしい。


その声にあたしまで驚いて、葉瑠の部屋はパニック状態。


「えッ!!!!火事?」


二人で逃げる場所を探し始めた。


「うるせぇなぁ…」

「どうかしたの?」


そう言ったのは湊と玲音。
玲音とはあれからもいい相談相手?

と言うか、お兄ちゃんみたいな存在になった。


「二人とも何してんの???火事だよ、火事!」


「「はぁ~?」」



「逃げないと!!」


「朝っぱらから避難訓練か…?」


「今日はダンスパーティ。早くしないと遅れるよ?」

いつもと変わらない二人の様子にあたし達も冷静になってみた。


「梨緒、手に持ってる“それ”、鳴らしてみてくれる?」


言われた通りに鳴らしてみた。


カンカンカン…


「「あぁ~~~!!!」」

やっと音の原因に気ずき、火事なんて起きていないことが分かった。


「やっぱり…

梨緒、今度はこんな物で起こさないでね?」


「…はい」


葉瑠がにこにこ笑いながら言うから余計に恐かった。