しばらく電車に揺られる。
人は少なくて、とても静かだった。
電車が家に近ずけば近ずくほど落ち着いていられなくなる。
湊にも緊張した。
ねぇ、
こんな風に真剣にあたしの事考えてくれて
色々やってくれたの
湊が初めてだよ?
今ね、あたしすごく大事にされてるんだって、実感してる――。
こんな幸せな気持ち
教えてくれて、ありがとう。
本当に、本当に感謝してるよ。
湊の横顔が……
湊が、
すぐ隣にいて
あたしを安心させるように手を握ってくれる。
恋人って不思議。
近ずいたら、もっと欲しくなる。
愛を確かめたくなる。
「次の駅だろ?」
「うん……」
湊の声が好き。
顔が好き。
温かい手が好き。
電車内にアナウンスが流れた。
「段あるから気を付けろよ?」
あたしの手を引いて前を歩く。
その大きな手も背中も、全部が大好きなんだ。


