「お前…身体重いだろ?」
一向に離す気配のない男の手に苛付いて振り払おうとした時、男がそう呟いてニコリと笑う。
「は?」
私は何故わかったのか不思議に思った。
そんな素振り見せた覚えもないし、アレは普通の人には見えないはずだったから…。
「憑かれ屋だな。
よくこういう事あって大変だなぁ…」
人事のようにそういうとソイツは私の背中をポンポンポンと3回程叩いた。
「!!?」
「よし、軽くなったな。
ほら…体育館行くぞ」
そう言ってソイツは呆気にとられる私を連れて体育館へ向かうのであった。
途中、この事は秘密だと念を押された。
(普通の人は信じないだろうけど)
そして後から知った話。
アイツは新任の化学教師 朝倉晃弘(アサクラアキヒロ)と言う男で見える側の人間だと言う事。
これが出会いだ。
実はアイツも新任式をサボっていたのはまた別の話…。
end
