「あの…いつもここで絵をかいていらっしゃいますわよね?」
そう声をかけてきたのは、同じ歳位の清楚な感じの女の子だった。
サラサラと風になびく黒い髪、クォーターなのか少し青みがかった瞳。
全てが目をひく。
「あ、はい…私、漫画家になるのが夢で」
「そう…それじゃあ、私の似顔絵を描いてくださる?」
似顔絵?
描いたことないけど…
こんなきれいな人なら描いてみたい。
「いいですよ、じゃあそこに座ってくれますか?」
私はそう言って似顔絵を描き始めた。
シャーペンの先端をスケッチブックに置いたとき、何だか妙な気分になった。
何でかは分からないけれど…


