お馬鹿恋愛




――次の日――


「いってきます……。」



散々休みたいと願った思いも親にあっさり拒否され、今は学校に向かっている途中。



昔からお兄ちゃんに泣かされていた私は泣いても目が腫れないという特技を身につけていた。



だからぱっと見たところ、何ら変化ない。



「…心は痛んでるっつーの……。」



周りを気にしないで独り言をいうなんて自分、相当病んでるなぁ…。



サボる勇気もでずに来た昇降口。



「おい!!」



――びくっ



急にかけられた声。


振り向かなくてもわかる。



…龍。



そう理解した瞬間に私は走り出した。



後ろで叫び声が聞こえたけど気にしないで教室まで走った。