「「…………。」」
何故か黙る二人。
さっきまでの信の体温はなくなり冷たい夜風があたしと信の間を
通り抜けた。
あたしより3歩先を歩く信の後ろ姿を見つめて星が1、2こ輝く夜空を見上げた。
「全然星が見えないなぁー」
ボソッと呟くあたしに足を止めた信が振り返った。
「そんなに星が見たいなら、プラネタリウムに連れて行ってやろうか?」
「何それ、変な冗談言わないでよ。」
「冗談?俺が冗談言う男に見えるか??」
「見えるに決まってんじゃん。」
「…………っあのねぇ…」
頭のかきながら苦笑いする信の横を通り過ぎると、見覚えのある建物が見えてきた。
「あ。もうこのへんでいいよ。家すぐそこだし、酔いもさめたし。」
「えっ。」
「んじゃ、」
「…このみ?」
………えっ?


