その時、『バスッ!』と鈍い音と共に、たくみは意識が無くなった。

次に目が覚めた時に、暖かい布団の感覚と頭に激痛が走った。

『大丈夫!』

声のする方を見ると共に聞き覚えのある声だと感じた。

『まっ真嶋先輩!』
『無事でよかった!』
『おっ俺は?イタッ!』
『野球部のボールが飛んで来て、頭にあたったのよー』

道理で頭が痛い訳だ!
しかしなぜ、真嶋先輩が?
『鈍い音が聞こえて見たら、佐々木君が倒れてたので練習を放棄して・・・私に見取れてたから私に責任があるのかなーって!』

それはまさに図星であったが、素直にそうだ!とは言えなかった!

『いや〜ちょっと考え事を』

とごまかした。
しかし真嶋先輩は、たくみの頬が瞬間的に紅くなったのを見逃さなかった!

『あっ!今、紅くなったぁ〜!図星でしょ!』
『あほ〜ちやう〜』
『さらに紅くなったぁ〜』
『あ〜熱が出てきた!』

と言って布団で紅くなった顔を隠した。

真嶋先輩はトーンを落として

『本当!無事でよかった!』

たくみは布団で顔を隠しながら

『ありがとう!』

と返事をした。