都心から少し離れた平凡な街で生まれ、育った一人の少年の物語。

彼には3つ上の兄がいた。
兄と同じ高校に進学し、高校の入学式を迎えた。

入学式を終え、教室で待機していると
2、3年生の上級生が入学式を終えた彼を見物に来ていた。

『どれどれ!』
『あっ!あの窓際のぉ?』
『あっ!似てるぅ〜』
『ほんとそっくり!』

騒いでる上級生に彼は気が付き、ちらっと見ると

『あっ!こっち見たぁ〜』
『キャー!』

と騒いで出ていった!
そう彼の兄は高校で有名人すごく人気があった!
その弟が入学したとなると見物にも来たくなるもんだ。
彼と一緒に話していた友達が

『俺の事か〜?』

見た目ハーフぽい友達(あだ名はタニグ)がそう言うとその隣にいたもう一人の友達(あだ名はトックン)が

『俺かもね!』

と言ってクシで髪を整え出した。
それをよそ目に彼は、

《俺かもな》

と声に出さずに思った。
しかし、次の日にそれは誰のことだかすぐに解った。