さよならとその向こう側




『時効が迫ればマスコミでも取り上げられるだろう。』










さっきの教授の言葉が頭の中で繰り返された。


今の仕事が好きだ。

教授の下で、この大学で、研究を続けてきたし、これからもそうして行きたいと考えている。研究の成果を認めて貰える様に学会に発表する事だって続けていく。
私自身はまだまだ無名の助教授に過ぎないが、研究を重ねて行く事で将来人々の役に立つ医薬品を作りたいと願っている。

病気に苦しむ沢山の人を救いたい

それが私の願いであり、仕事に対する誇りでも有る。



だがもし、彩夏と一緒になる事でそれが当たり前のように出来なくなってしまったら?
大学から、追放される様な事になったら?





教授の言っている事は可能性に過ぎない。

だけど、もしそれが事実なら・・・。



俺は彩夏を愛し続ける事が出来るのか・・・・・?