さよならとその向こう側

「今私がしている事は卑怯で卑劣かもしれない。だが、大事な綾の幸せの為だ。…君と水嶋君の事を色々調べさせて貰った。」


「調べた…?」


「…ああ。経歴や、生い立ちなんかを。……私だって鬼じゃない。確かに綾はかわいいが、部下である君が結婚を考えている相手がいるなら、本当は祝福してやりたいさ。だから、彼女が申し分ないかどうか調べて何も出てこなければ、綾の事は君には話さないつもりだった。」



「彩夏に、何か問題でもあったんですか?」


心臓がバクバクして落ち着かなかった。

俺の知らない何かがあるって云うのか?


すると教授は、古い新聞の切り抜きを取り出した。