さよならとその向こう側


「――さて。お父さんとお母さんには挨拶させて貰ったから、長野に戻ろうか?」

「え?長野に?」


「そう。今度は叔父さんと叔母さんにご挨拶に行かないと。」



「え?挨拶に?」


ちょっと待って?
そんな突然?

まだ心の準備が……



そんな私の心の内を察してか、実は私の手を取り優しく微笑む。



「――この霊園、いい場所にあるよね。俺が、なんでここが分かったか、不思議に思わない?」



確かに、そういわれてみれば……

今日、私がここに来る事は、叔父さんと叔母さんしか知らないはずなのに。



「聞いて来た。彩夏の住むペンションで、叔父さんと叔母さんに。
それから、カナダに帰るまで泊まらせて貰う事になってる。」


「え…本当?私全然知らなかった。」


「そうだろうね。突然休みが取れたから、予約も入れないで、今朝直接ペンションに向かったんだ。
そしたら、彩夏はいないって。
だから事情を話して、この場所を教えて貰った。」


「…事情って…」


「もちろん、結婚させて欲しいって言ったよ。」


「え!?」


実って、もっと慎重派で計画的な性格じゃなかった?そんな行き当たりばったりみたいな――。